ダメになる組織〜意思決定に承認ルートを外れることは許さない〜
こんにちは。たりです。
今日仕事であったことで、ふと以前読んだ下の記事を思い出しました。スパイとして会社に入社して、どうやって組織をダメにするかをCIAがマニュアルにしており、現代の日本の会社にそっくり当てはまるというもの。数ヶ月前に話題になってましたよね。
以下、意訳文を引用。
- 「注意深さ」を促す。スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする
- 可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上
- 何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない
- 会社内での組織的位置付けにこだわる。これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する
- 前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す
- 文書は細かな言葉尻にこだわる
- 重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる
- 重要な業務があっても会議を実施する
- なるべくペーパーワークを増やす
- 業務の承認手続きをなるべく複雑にする。一人で承認できる事項でも3人の承認を必須にする
- 全ての規則を厳格に適用する
だいたい全部うちの会社は当てはまっているのですが、今日特に感じたのはこれ。
何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない
これを現地スタッフが言い始めたんですね。チームのルールを作っている時に。もちろん日本じゃ常識なので日本人上司はOKでGOサイン。
マジかよと。別に日本人だけじゃないんだってことで、驚きました。
話題になったのは、判断に緊急性が求められるケースをどうするかという話。いちいち承認もらっていたら破綻するってのが担当者の意見。それに対して、組織のルールを作る立場のスタッフが、「必ず上席の(さらに上の上席までの)承認が必要」ということでまとめたのです。
確かに、意思決定の判断の正確性を取るために何段階もの承認を取ることは重要なこともあります。ただし、今回のケースについては、超緊急的な対応が必要な時に承認取るのって本当に現実的かな〜と思います。多分、いざそういうケースが出てきたら確実に事後承認、事後報告になって、今日決めたルールは使われないと思います。
チームのリーダーに口頭で状況と対応方法相談して、その上席には事後報告っていう抜け道を作ってあげることがベターな解答なのかなと思います。
「別に日本人だけじゃないんだ」って上に書きましたけど、よく考えてみたらCIAが出しているマニュアルですもんね。アメリカ含めこういう事例は腐るほどあって、そこからエッセンスを抽出した結果のマニュアルなんですね。というか本当に当てはまりすぎていて怖い。よくもまあここまで。
シンガポール人で一緒に働いている人は、みんなめちゃくちゃ優秀で、MBAだったりPMP(プロジェクトマネジメントの資格)だったりを持っていたり、勉強中だったり。プロフェッショナルになるためにすごい頑張っているんですよね。
せっかくうちの会社も海外に支店を出しているのだから、現地スタッフが持っているノウハウをうまく取り入れていきたいものです。ありえない量のペーパーワークとか無限に続く承認ルートとかマジでもう滅んで欲しい…
愚痴だけになってしまいました。
それではまた次回。