「シンガポールは幸せランキングで世界最下位の148位」は本当か?←本当ではありません。
こんにちは。たりです。
スマートニュースで漁っていたら気になった記事があったので、書きます。
該当の記事はこちら。
国連による幸福度ランキングではスイス、アイスランド、デンマーク、ノルウェイ、カナダ、フィンランド、オランダ、スウェーデン、ニュージーランド、オーストラリアがトップ10だ。
ちなみに日本は46位だが、まだましなほうだ。この中には大国は一切入っていない。米国や日本の真似をして経済大国に成りあがったシンガポールの幸せランキングは繰り返しになるが、今や世界最下位の148位なのだ。
残念ながらこれは事実ではありません。
幸福度ランキングのソースを確認
国連による幸福度ランキングというのを調べてみますと、World Happiness Reportというものがひっかかります。日本が46位に入っているのは2015年度のものです。見てみましょう。以下の表がわかりやすいです。
出典:http://worldhappiness.report/wp-content/uploads/sites/2/2015/04/WHR15_Sep15.pdf
スイス、アイスランド、デンマーク、ノルウェーと上位陣は記事と変わりありませんが、シンガポールは24位です。日本の46位と比べてもシンガポールの方が全然高いです。
国連が出しているレポートでは、一人当たりGDPや福祉、健康度、人生の選択の自由度などから評価された結果です。シンガポールに住んでいて感じますが、こういう指標を使う限り、世界で最下位を取るなんてありえません。
最下位というのはなんなの?
一体筆者は何の調査結果を出してきたのでしょうか。
試しに、「Singapore worst happiness」とかなんとか適当にググってみますと、ギャロップという調査会社が出している2012年の調査結果が出てきました。
こちらです。
「Least Emotional Country」は直訳すると、「最も感情起伏のない国(または国民)」って感じでしょうか。
これがどのように調査されたかと読んでみると、
昨日よく眠れましたか?
昨日はいい1日でしたか?
昨日はよく笑いましたか?
昨日、何か面白いことを学びましたか?
昨日は、喜怒哀楽の感情起伏を多く感じましたか?
という質問にYes/Noで答えて、一番Noが多かったという結果です。上位にランクインしている国の多くは中南米の国で、1位はフィリピン。北欧とか全然入っていません。ちなみに日本はちょうど中間くらいにランクインしています。
これは国民性に大きく左右される調査だと思います。これはこれで面白いですが、国連のデータとは違うでしょう?
単なる勘違い?
記事上で「国連の」というソースを出している以上、勘違いするとは思えませんが、どういうことなのでしょうか。ギャラップ社の調査のことを言いたいのであれば、国連のデータは必要ないですし。
とにかく、読者を混乱させるような記述になっているなーという感想です。Facebookで500近い「シェア」を取っちゃっているみたいですが、大丈夫でしょうか?
シンガポールはいいところです
僕が駐在員で、シンガポールの裏の面が見れていないのかもしれませんが、シンガポールはいいところです。安全だし、街中が清潔だし、開発がどんどん進んでいて、国に勢いを感じます。タクシーの運ちゃんはガンガン話しかけてくるし(タクシーの運転手はシンガポール人しかなれません)、お店のおばちゃんは大阪のおばちゃんっぽい?し、若者は電車やバスの中で高齢者に席を譲ります。日本にいた時よりもその光景を見ます。
みんなそれぞれ悩みは抱えているんだろうけど、正直、僕には日本の高齢化による不安の方がよっぽど暗く見えます。
何が言いたかったかというと、そんなにシンガポールをDisらないで!
ということでした。
それではまた次回。