シングリッシュ「can」に見る、ハイコンテクストな英語
こんにちは。たりです。
シンガポールはグローバルな国で、世界中から外国人が観光に仕事に押し寄せています。母国語も、英語、中国語、マレー語、タミル語と4つの中からそれぞれ家族の文化に合わせて言語を学びます。
英語と中国語を聞くことが圧倒的です。
ハイコンテクスト、ローコンテクストとは
コンテクスト(Context)あるいはコンテキストとは、文脈や背景となる分野によってさまざまな用例がある言葉であるが、一般的に「文脈」と訳されることが多い。文脈により「脈絡」、「状況」、「前後関係」、「背景」などとも訳される。コンテクスト - Wikipedia
二人の間に共通の理解があって初めて成立するハイコンテクストな会話と、共通理解は最初からないものと思って話すローコンテクストがあります。
例えば、テーブルの上にお刺身が乗っていて、
「しょうゆ」
と誰かが言えば、誰かが取って渡してくれる。これも立派な文脈理解ですよね。あるいは、「しょうゆ」なんて言葉を発していなくても誰かがキョロキョロしていたら、スッと渡しますよね。もはや言葉もいらない場合もあります。
アメリカなどの英語を使う国ではローコンテクストの文化が多いですね。これは歴史的な背景もあるそうなのですが、はっきり意思を主張し、誤解のないような話し方をしなければ生き残れなかったのです。
シングリッシュとは
シンガポールで独自の進化(訛り)を経た英語のことです。
シングリッシュ(英: Singlish)とは、シンガポールにて話されている強い訛のある英語、特にシンガポール国民が日常生活で話している英語のこと。この語は「シンガポールの英語」を意味する英語「Singaporean English」に由来する。ピジン言語の一つと分類される。
主な特徴として、以下のようなものがある。(一部抜粋)
- 付加疑問文は、文末に「right?」をつけるだけ。「don't you?」「didn't he?」などは複雑なので使わない
- 過去現在未来における語尾変化もなくなって現在形に統一されている(例:「今日のラクサは売れ切れた。明日なら大丈夫ですよ。」=Today, Laksa is already gone. Tomorrow Can.)
私は、初め慣れるのに本当に苦労しました。ただ、一つ一つの文章が短いので、独特のアクセントに慣れたら割と理解しやすいと思っています。
シングリッシュってハイコンテクストな英語
そう思いました。
英語の「できる」を意味するあれです。シンガポール人はどこでもこの「can」を使います。
シーン1
僕「Please go to Somerset MRT」(サマセット駅まで行ってください)
タクシードライバー「(低めの声で)きゃ〜ん!」
シーン2
僕「Can I try this shoes」(これ試着してもいいですか?)
店員「Sure. Can!」
シーン3
僕がショッピングセンターでガラス扉を開けて先にシンガポール人通してあげる。
彼「Can. Thank you!」
シーン3なんかもはや全然意味わからない。でも、よくよく考えると
彼「Can.(先に通してくれるのね。わかったよ!)Thank you!」
的な感じのニュアンスなのかなと推察できます。
とある文脈の中で、Canは同意、了承、理解、肯定と、こんな感じの意味で使われる気がしました。
欧米やアメリカ行ったことないので、このコンテクストの違いを気にした上で、比較してみたいです。
皆さんもシンガポールにお越しの際は店員さんとのやり取りを気にしてみてください。